児童手当の差押は職権乱用判決
鳥取地裁で,児童手当の差押は,職権乱用との判決がでました。
税の滞納を理由に児童手当が振り込まれた預金口座を鳥取県に差し押さえられ,県税に充当したのは違法だとして,県を相手に処分の取り消しや損害賠償を求めた訴訟の判決が29日,鳥取地裁であった。
和久田斉裁判長は「権限を乱用した違法なもの」として原告側の請求を一部認め,県に差し押さえた約13万円と慰謝料25万円を支払うよう命じたものです。
児童手当は法律で差し押さえが禁止されているが,最高裁は預金債権になった時点で差し押さえ可能との見解を示していた。
判決で和久田裁判長は,児童手当からの徴税を意図し,児童手当以外に入金がないことを知ることができた場合の差し押さえは「児童手当法の精神を軽視するような裁量逸脱で,違法と解するのが相当」と判断しました。 さて,この問題,下級審判決ながら,画期的な判決だと思います。 ただ,上訴された場合,この判決が維持されるかは,先の最高裁判決から,どうなるのでしょうか? 目が離せません。
訴訟では,県が「児童手当であるとは認識していなかった」などと主張し,口座の預金を児童手当だと認識し,識別・特定できたかどうかなどが争点となった。
和久田裁判長は,県職員が預金調査で児童手当が振り込まれる時期を知り,預金口座の取引履歴を確認していたなどとし,「実質的に児童手当を原資として租税の徴収をすることを意図した」と認定したようです。
« 改正犯罪収益移転防止法 | トップページ | 過払利息の充当問題 »
「法律」カテゴリの記事
- 嫡出子と非嫡出子の相続分(2016.07.14)
- マイナンバー(2015.11.25)
- 平成27年11月現在の千葉家庭裁判所の予納郵券(2015.10.29)
- 遺留分減殺請求(2015.07.03)
- 法テラス利用条件(収入要件)(2014.12.03)