フォト
無料ブログはココログ

千葉県民司法書士事務所

« 香取市仮設住宅 | トップページ | 韓国の自殺事情 »

2012年12月19日 (水)

成年後見人の横領

 

 大阪弁護士会は,成年後見人を務める本人の金約1326万円を着服したとして所属弁護士を同会綱紀委員会に懲戒請求したと発表しました。

 同弁護士を成年後見人として選任した大阪家裁は,業務上横領容疑で地検に告発したようです。

 同会によると,同弁護士は成年後見人として管理していた被成年後見人の土地や建物を売却し,その売却代金約1326万円を自分の口座に振り込ませ,その後,被成年後見人側が家裁に連絡し発覚したようです。

 同弁護士は同会の調査に「別の複数の民事事件の支払金にあてた」と認め,全額を返したということですが,後日返還したとしても,罪は消えません。

 以前,本ブログでも,親族後見人の横領行為について述べましたが,上記のように専門職後見人が被成年後見人(本人)の財産を,本人に判断能力がないことを奇貨として,自己のために使用する事件が時々報道されます。

 親族が,本人の財産を横領する事件は,専門職後見人が横領する事件に比べると格段多いのですが,報道されるのは,専門職後見人が圧倒的です。

 一般の方よりも注意義務が高く,信頼も厚いことから,それを裏切る行為は報道されてもやむを得ないことでしょう。

 しかし,後見人は,少なくとも1年に1度は家庭裁判所に年計報告を行うのですが,その時,辻褄が合わなければ不正が発覚することは容易に推測できるにも拘わらず,どうして不正を犯し,折角取得した資格を剥奪されかねない行為をするのでしょうか。

 以前,沖縄県の司法書士が,この家庭裁判所に報告・提出する預金通帳まで偽造をして,横領行為の発覚を遅らせる事件がありましたが,職業後見人として言葉を失います。

 このような事件が後を絶たないことから,家裁のチェックも厳しくなり(当然でしょうね),真面目にやっていても,結構突っ込まれたりします。 尤もやましいことは何もないので,報告をすれば納得いただけますが。

 今後も,後見等事件の増加が予想されるところ,裁判所の職員(報告書をチェックする書記官や参与員)の数は追いつかない事態も想定され,また一方で,後見人不足も心配されることから,一般市民が,(親族以外)の被後見人の後見人になるような方策が進んでいくものと思われます。

« 香取市仮設住宅 | トップページ | 韓国の自殺事情 »

法律」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 成年後見人の横領:

« 香取市仮設住宅 | トップページ | 韓国の自殺事情 »