平成24年度自殺対策相談支援者研修会
本日,平成24年度自殺対策相談支援者研修会に参加してきました。
テーマは,これからの自殺対策というもので,講師は,独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 自殺予防総合対策センター長の竹島 正先生です。
まずは,自殺の定義から始まり,これまでの取組みの経緯等を踏まえて,これから何ができるのか,何をすべきかの講義がありました。
平成24年度版死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルによれば,自殺とは,「死亡者自身の故意の行為に基づく死亡で,手段,方法を問わない」とされております。
この中で,故意とは,心理状態であり,これを第三者が見ることができないところに難しさがあるということで,自殺の本質の研究の難しさがあります。
自殺総合対策の基本的な考え方として,
1 社会的要因も踏まえて総合的に取り組む必要がある。
2 国民一人ひとりが自殺予防の主役となるよう取り組む必要ある。
3 関係者の連携による包括的な生きる支援をする。
4 自殺の実態に即した施策を推進する。
5 国・地方公共団体・関係団体・民間団体・企業及び国民の役割を明確化し,その連携・協働を推進する。
というものがあります。
そして,自殺対策基本法による基本理念として,
自殺が個人的な問題としてのみとらえられるべきものではなく,その背景に様々な社会的要因があることを踏まえて,社会的な取組みとして実施されなければならない,としていることから,個人の責任,個人の尊重された死であるという考え方もある一方で,千葉県でも,自殺対策連絡会議を発足させて,社会的な包括的な取組みを行っているところであります。
私も,毎年,自死に関する研修会には参加させていただき,上記千葉県自殺対策連絡会議に参加させてもらっており,千葉司法書士会としては,自死対策相談会を開催するなどして,この問題に取り組んでおりますが,横の連携の必要性は充分に感じているところです。
千葉司法書士会の自死対策相談会では,臨床心理士さんや精神保健福祉士さんのご協力を得て,その連携をもって対応にあたっておりますが,これかも,この連携をさらに強固にすることは当然のこと,他の団体や専門職の方達と,一緒になって自死問題にあたっていく必要性を感じております。
現在,自殺者は,圧倒的に男性が多いという統計が出ています。
他方で,自殺未遂者は,男性よりも女性が多いという話も聞いたことがあります。
また,自殺未遂者の,再度の自殺企図による,自殺行為が繰り返されることも研究者の間では述べられております。
自殺対策といっても,これからは,このような未遂者への適切な対応,自死遺族へのケアなど,多くの課題があるのも事実ですが,自殺は,社会の取組みで減らすことのできる問題です。
是非,多くの方にも,偏見を捨てて,この問題にも目を向けてもらいたいと思っております。
福岡県司法書士会では,自殺未遂で病院に搬送される救急救命病院と連携をして,未遂者へのケアを始めております。
千葉でもこのような連携ができないか,関係者の方がいれば,いつでもご連絡いただきたいと思います。
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