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千葉県民司法書士事務所

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2012年11月20日 (火)

本日の研修会

 東京司法書士会で「銀行融資の実情と事業再生の手法」と題して研修会があったため,四ツ谷の日司連ホールまで行ってきました。

 最近,研修が多いのですが,今日の研修会は,久々に大変参考になった研修会でした。

 主に銀行内部の業務と中小企業の事業再建についての講義で,実務でも役に立つ話が多かったです。

 銀行では,銀行の自己査定と金融庁の金融検査によって,債務者区分を定めていますが,債務者区分により,銀行が貸倒引当金を積まなくてはならなず,区分が正常先から破綻先まで,細かくその割合を決めているようです。

 次に事業再建ですが,その手法の1つに会社分割という方法は,前から言われておりましたが,成功させるポイントは,

1 営業利益が出ていること(そもそも営業をして利益が出ていなければ,会社を分割して事業を移しても,結局赤字は改善されないため)

2 キャッシュフローがあることとスポンサーがあった方がよい(これがなければ,今後借入れができないことから,ある程度は必要)

3 銀行が,会社が破綻(破産)するよりもメリットを享受できるとよいと同意を得ること(銀行の同意なく会社分割をすると詐害行為取消権を行使される)

実際には,銀行の同意が難しくハードルは高いかもしれないため,全ての会社がこの方法が利用できるとはいい難い現状があります。

 次に,それでは,緊急事態の状態にある場合において,会社が支払いを止める順番ですが,まず最初に止めるのが銀行への返済,次に順番に,税金・社会保険,諸経費,買掛金・支払手形,給料という順番です。

 この順番を間違うと,事業の再生が難しくなることもあります。

 その後,銀行に対するリスケを行い,滞納税金等の分割の話になっていきます。

 勘違いをしている方も多いと思うのですが,延滞とリスケの違いは,延滞は銀行の同意を得ていない勝手な返済の中止ですが,リスケは,銀行の同意を得て行う借入条件変更契約であることが大きな違いです。

 しかし,リスケにも当然リスクはありますが,リスケ中は,元金据置などですので,その間は新たな融資は望めません。

ただ,返済を開始すれば,融資を受けられる可能性はあります。

 その他,実際のリスケの交渉方法やその段取り,必要な書類などを講義いただき,また,金融円滑化法施行後の状況から終了後についても,大変参考となる話をお聴きすることができました。

 司法書士は,中小企業の事業承継や事業再生については,次の司法書士法施行規則にあるように,関与することが可能です。

 これについては,また機会があれば,述べたいと思います。

第31条   法第29条第1項第1号の法務省令で定める業務は、次の各号に掲げるものとする。

(1)  当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務
(2)  当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、後見人、保佐人、補助人、監督委員その他これらに類する地位に就き、他人の法律行為について、代理、同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務

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