代表取締役の変更登記の際の印鑑証明書
代表取締役変更の際の印鑑証明書の要否について,その根拠は,下記の商業登記規則にあります。
私は,旧商法時代に試験勉強をしていたため,会社法の勉強は,勿論開業後ということになります。
さて,下記条文が,役員の変更登記申請の際,誰の印鑑証明書を添付するのかの答えなのですが,一読しただけでは理解しづらい部分のため,少し分かり易く解説を試みたいと思います。
2 設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には,設立時取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑についても,同様とする。
3 取締役会設置会社における前項の規定の適用については,同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と,同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。
4 代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には,次の各号に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ当該各号に定める印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
ただし,当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
一 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合
議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
二 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合
取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
三 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合
出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑
5 略
6 略
7 略
まず,取締役会の設置会社会社か否かで,一つ目の選択が必要となります。
1 取締役会設置会社
代表取締役は,決議後も取締役として留任するか?
ア 残る場合 ⇒ 変更前の代表取締役が会社実印を押印し,新代表者は,個人実印を押印し(印鑑証明書要),他の役員は,認印。
イ 残らない場合 ⇒ 出席した役員全員の実印と印鑑証明書。
※上記の役員のうち,監査役の監査の範囲を会計に限定する旨の定款の定めがあれば,監査役は除く。
2 取締役会非設置会社
代表取締役は,決議後も取締役として留任するか?
ア 残る場合 ⇒ 変更前の従前の代表取締役が会社実印を押印すれば,その他の役員は認印。
※新任取締役が新たに就任したときは,就任承諾を援用した旨の記載のある議事録に実印押印(印鑑証明書要)か,就任承諾書に実印押印(印鑑証明書要)。
イ 残らない場合 ⇒ 出席取締役全員の個人の実印(印鑑証明書要)。
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