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千葉県民司法書士事務所

2016年7月15日 (金)

不動産の相続登記手続き

不動産の相続登記手続きについて

不動産を所有している方が,不幸にしてお亡くなりになった場合,避けて通れないのが,不動産の相続登記手続きです。

不動産の相続登記手続きは,いつまでにしなければならない,という期限は法律上設けられておりませんが,年数の経過により,相続人の方がさらにお亡くなりになり,二次相続が開始することもあります。

当初,相続人が3名であったものが,放置していたことにより,5名,6名・・・と相続人が増えていくことも珍しいことではありません。

関係者が増えていくということは,その分,集める書類も多くなりますし,遺産分割協議をする場合においても関係者全員で調整を図らなければなりません。

相続登記手続きを行う際に,必要なことをまとめてみます。

1 必要な書類

不動産登記に限らず,銀行預金の相続手続きにも必要となるものですが,

①被相続人(お亡くなりになられた方)の出生から死亡までのつながりのある戸籍(除籍)謄本

(概ね10歳くらいからの除籍謄本で足りますが,ご自身で取得される場合は,役所で,「出生からのものをください。」と言えば出してくれます。)

②相続人の戸籍謄本(これは出生まで遡る必要はなく,現在の戸籍謄本(抄本)で構いません。)

上記は,各種相続の手続きで必要なものですが,次からは,相続を原因とする不動産登記手続きで必要となるものです。

①不動産を取得される相続人の住民票

(この住所で登記されます。)

②被相続人の戸籍の附票または除票

(被相続人の登記上記録されている住所と本籍地が同じであれば不要ですが,多くは一致しておりません。)

③固定資産評価証明書

(登録免許税の算出のために必要となる書類です。)

法定相続分ではなく,違う配分で登記をする場合に必要となる書類

①遺言書

(自筆証書遺言の場合は,家庭裁判所での検認の手続きが必要です。なお,公正証書遺言の場合は,この手続きは不要です。)

②遺産分割協議書と遺産分割協議書に押印(実印)したものの印鑑登録証明書

③遺産分割調停調書等

2 手続きを行う場所

不動産所在地を管轄する法務局

3 不動産登記申請書

必要な書類が整ったら,申請書を作成します。

登記申請書

  登記の目的  所有権移転

原   因  平成〇年〇月〇日相続

相 続 人  (被相続人 〇〇 〇)

(不動産の名義人となられる方の住所・氏名)

添付書類   登記原因証明情報   住所証明書   代理権限証書(代理人が行う場合)

平成〇年〇月〇日    (管轄法務局)

代 理 人  (代理人が行う場合には,代理人の住所・氏名・電話番号)

課税価格   金(固定資産評価証明書上の金額(千円未満切り捨て))円

登録免許税  金(上記金額の0.4%(100円未満切り捨て))円

不動産の表示 (表示は正確に記載する必要がありますので事前に,最新の登記事項証明書を取得して確認してください。)

所  在  千葉県習志野市津田沼

地  番

地  目

地  積

4 必要な費用

自分で行う場合にも,登録免許税を納めなければなりません。

上記申請書にもあるとおり,評価額の0.4%の税金を収入印紙で納めるか電子納付します。

司法書士へ依頼される場合には,上記以外に司法書士報酬が必要になります。

5 登記申請後

申請書や添付書類を法務局で確認され,不備などがあると補正をしなければなりません。

概ね登記完了日に登記が完了しますので,その日以降に,登記識別情報(昔の権利証)を,法務局へ取りに行きます。

この場合,申請書に押印した印鑑が必要ですので,忘れずに持参しましょう。

お問い合わせは,千葉県民司法書士事務所のオフィシャルサイトへ

 http://chiba-shihoshoshi.com/

2016年7月14日 (木)

嫡出子と非嫡出子の相続分

 

嫡出子と嫡出でない子(非嫡出子)の相続分は,従来,平等ではなく,非嫡出子は,嫡出子の2分の1と定められていました。

嫡出子とは,法律上の婚姻関係にある男女間に生まれた子で,非嫡出子とは,法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子をいいます。

子の父親(婚姻関係にない子を法律上子と認められるためには認知が必要)は,婚姻していようとしていまいと自分の子に変わりはなく,また,子の母親は,出産の事実から婚姻していなくても母親になりますので,両親が,婚姻関係にあろうとなかろうと,子には何も責任がないにもかかわらず,この不平等な取り扱いは,平成25年9月4日の最高裁の決定が出るまで変わることはありませんでした。

この最高裁決定では,憲法第14条に規定する法の下の平等に反するとして,嫡出子・非嫡出子の相続分は平等であるとしたのです。

これにより,民法第900条4号ただし書き中「嫡出子でない子の相続分は,嫡出子である子の相続分の2分の1とし」という部分が削除されることになりました(平成25年12月11日施行)。

これを受けて,法務省民事局長の通達(民法の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記等の事務の取扱いついて)が発せられることとなりました。

同通達において,「第1 改正法の概要」の中で,

嫡出子も非嫡出子も,相続分は同等とする。

②施行期日は,公布の日(平成25年12月11日)から施行する

③改正法は,平成25年9月5日以降に開始した相続について適用し,同月4日以前に開始した相続については,何ら規定するものではない。

次に,同通達「第2 不動産登記等の事務の取扱い」として,

平成25年9月5日以降に開始した相続については,新民法(相続分平等)を適用する。

②平成25年9月4日以前に開始した相続について,最高裁決定は,「本件規定(旧民法900条4項)は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していたものというべきである」と判示しつつ,旧法の不平等な規定を前提としてなされた「遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではない」とされた。

③平成25年12月11日以降にされる不動産登記等の申請であって,平成13年7月1日以降に開始した相続における法定相続(遺言や遺産分割等によることなく,被相続人の法定相続人となったこと自体に基づき,法定相続に応じて不動産等を相続したこと)に基づいて,権利を取得した者を登記名義人とする登記を申請する際は,嫡出子も非嫡出子も同等であるものとして事務処理をする。

④平成25年12月11日以降に申請で,平成13年7月1日以降に開始した相続で遺言や遺産分割等に基づいて登記をする場合には,当該遺言や遺産分割等の内容に従って事務処理をすれば足りる。

⑤平成25年12月11日以降にされる申請で,平成13年7月1日以降に開始した相続における法定相続に基づいて権利を取得した者の登記に係る更正の登記を上記③④以外の申請等については,当該登記の原因に応じて,最高裁の判示する「本件規定の前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係」に基づくものであるかどうか等を判断して事務処理をする。

 

 この通達により,平成25年9月5日以降に発生した相続については,嫡出子も非嫡出子も相続分は平等であるとして事務処理をする,ということになり,平成25年9月4日以前に開始した相続については,

 平成25年12月11日以降にした不動産登記等の申請で,相続の開始が平成13年7月1日以降のものについて法定相続により登記をする場合は,嫡出子・非嫡出子の相続分は同等として事務処理をする。

 ただし,法定相続ではなく,遺言や遺産分割協議等に基づく登記等の申請については,その遺言や遺産分割協議の内容に従って処理すればよい。

 また,平成13年7月1日以降に開始した相続で,法定相続により登記をしたものの,その更正などの登記をするときは,確定的なものとなった法律関係は覆らないことを勘案して事務処理をする,としております。

 相続の開始した日によって取り扱いが異なってきますので,注意が必要です。

2016年7月 7日 (木)

法定相続情報証明制度(仮称)

法務省は,相続手続きを簡素化するため「法定相続情報証明制度」(仮称)を来年度に始めるそうです。

今のところ,相続が発生して,不動産や預貯金,有価証券,相続税の申告をする際,それぞれの手続きごとに,被相続人の出生から戸籍(除籍)関係書類を提出しなければなりませんでした。

申請する側も,戸籍資料一式を整えて窓口に出向いて手続きを行い,一方,手続きを実施する法務局や銀行の担当者も,一から戸籍を確認していかなければなりませんでしたが,この新制度が運用されると,相続発生後,被相続人の出生からの戸籍書類一式を揃え,相続関係説明図を添付して法務局に申請をすれば,相続関係説明図に,登記官の奥書(「これは,法定相続情報の写しだと証明する。」旨)がされ,この証明書1通があれば,相続手続きを行う際,いちいち戸籍資料一式を各手続きの窓口で提供をしなくても済むようになります。

相続人や金融機関の負担軽減を図ることと,相続登記を促して空き家の問題を減少させようとの目的があるようです。

年内にパブリックコメントを実施し,来年5月の開始を目指しているとのことです。

詳細は,今後決まってきますが,最初の手続きだけ済ませてしまえば,その他の手続きが迅速化されていくものと思われます。

また,被相続人が,不動産を所有していた場合,相続登記の申請と共に「法定相続情報証明申請」を行えば,不動産登記完了と共に,この証明書が出来上がってくるイメージになるかもしれません。

そうであるとすれば,不動産を所有してお亡くなりになられた方が,まず行う申請手続きは,不動産登記の相続手続きになるかもしれません。

なぜならば,相続により不動産登記申請の際,戸籍資料一式と相続関係説明図は,実務上セットで申請書に添付書面として法務局に提出するからです。

そして,相続による不動産の名義変更が完了したときに発行される,法定相続情報証明書を受け取り,次に,金融機関での預貯金の相続手続きであったり,有価証券の相続手続きなどを行うことが想定されます。

不動産をお持ちでなかった方については,預貯金が多数の金融機関に分かれていたりした場合には,一度,法務局で申請をし,証明書をもらって各銀行の手続きを行えば,時間の節約につながることは間違いありません。

証明書も,1通ではなく,複数枚発行(金融機関の数分)してくてくれるとなれば,1日で各銀行を回って手続きを済ませることも可能かもしれません。

なお,証明書は無料との構想ですが,2枚以上はさすがに,有料になるのかもしれません。

2016年6月24日 (金)

千葉信用金庫の相続手続き

千葉信用金庫の相続手続き

1 まず初めに,千葉信用金庫の窓口に行って,相続が発生した事実を伝えると共に(原則,これで,被相続人の口座が凍結されます),相続手続依頼書をもらい,この相続手続依頼書に,相続人全員の自署と実印での押印をすることになります。

2 どの金融機関でも同じですが,被相続人の出生から死亡までの除籍謄本,改製原戸籍等を市区町村役所で取得します。

  また,相続人の現在の戸籍謄本も必要になります。

3 上記1の相続手続依頼書に押印した実印に関する印鑑証明書を市区町村役所で取得します(印鑑証明書だけは,発行から3か月以内のものが必要です)。

  また,海外に居住されている相続人については,大使館や領事館で発行するサイン証明書及び在留証明書が必要になります。

4 上記の手続きが済んだら,千葉信用金庫の窓口に提出をすることになりますが,この際,被相続人の通帳,証書,鍵,カード,届出印が必要になり,当座預金がある場合には,未使用の手形や小切手も窓口に提出することになります。

  また,「マル優」「貸金庫」「ローン」などの取引があった場合には,相続手続依頼書の他に,解約届などの書面も提出しなければなりません。

5 被相続人の預金の払い戻しを受ける場合には,(代表)相続人の実印が必要になり,被相続人の口座を名義変更して使用を続ける場合には,口座を引き継ぐ相続人の取引印が必要になります。

6 その他,遺産分割協議が整っていれば,遺産分割協議書が必要になりますし,遺産分割の調停が行われていれば,調停調書製本又は謄本が,調停がまとまらず審判で解決が図られた場合には,審判書製本又は謄本に加え,審判確定証明書が必要となります。

  また,遺言があった場合には,遺言書と自筆証書遺言等の場合は家庭裁判所の遺言検認調書謄本も必要になります(公正証書遺言の場合には,遺言検認調書謄本は不要です)。

戸籍謄本
現在使われている通常の戸籍(現戸籍)謄本のことをいいます。

一般的に戸籍謄本といっているものです(戸籍抄本とは,その戸籍の中の一部の者だけが記載されている戸籍のことをいいます)。

除籍謄本
戸籍に記載されている人が婚姻や死亡,転籍などによって,その戸籍に誰もいなくなったものをいいます。
死亡や婚姻で転籍した人には“×印”あるいは“/印”が書かれます(ここから,いわゆる離婚したら×1などの言葉が使われるようになったのです)。
除籍簿の保存期間は,平成22年5月31日までは80年間でしたが,同年6月1日以降は法改正によって150年間に保存期間が伸長されることになりました。

改製原戸籍謄本
戸籍は,戸籍法の法改正により,何度か作り替えが行われております。

このときに,新しい戸籍が作られることになるのですが,従前の古い様式の戸籍は廃棄されることなく残ることになります。

この改正されて新しい戸籍ができる元となった旧法時代の戸籍が「改製原戸籍」となります。

法改正などによって戸籍の書き替えが行なわれるわけですが,この書き替えは記載されているすべての内容をそのまま書き写すわけではないため,この改制原子戸籍を取得してみないと,過去の出来事(子の認知・離婚等の事実)が分からないため,相続手続きの際には必要になってくるのです。

2016年6月22日 (水)

会計監査役の登記手続き

株式会社の監査役について,平成27年5月1日より,「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある旨」が登記事項に加わりました(会社法第911条第3項第17号イ)。

 上記の日以降は,監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定め(以下「会計限定監査役の定め」といいます。)がある株式会社は,その旨を登記しなければならないことになりました。

 株式会社の監査役には,2の監査があり,①業務監査(取締役の業務執行が法律や定款の定めに従って行われているかや著しく不当な行為をしていないかの監査)と,②会計監査(会社の作成する計算書類等が適正に処理されているかの監査)を職務として行わなければなりません。

 そして,全ての株式において譲渡制限の定めのある会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は,監査役の権限を会計完済に限定することができます。

 具体的に,この改正によって,会計限定監査役の定めがある株式会社は,平成27年5月1以降に,「就任又は再任した監査役」について,その役員変更登記を申請する際には,併せて「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある旨を登記しなければなりません。

 特例有限会社の監査役については,当然に,会計限定監査役の定めがあるものとみなされますので,この登記をする必要はありません。

 

それでは,具体的に,どのような条件にある会社が,どのような添付書面をもって登記申請をするのでしょうか。

 

1 平成18年4月30日以前(会社法施行前に設立された株式会社の場合で,

①資本金の額が1億円以下である(平成18年5月1日当時,資本金の額が1億円以下であり,かつ,最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計額が200億円未満)。

②株式の全部に譲渡制限の定めがある(平成18年4月30日以前から現在までの間)。

③監査役の監査の範囲について,定款を変更していない(平成18年4月30日以前から現在までの間)。

④監査役会及び会計監査人を設置していない。

以上の条件に該当する株式会社は,「会計限定監査役の定めが記載された定款又は次のとおりの証明書」を添付して,登記申請をする必要があります。

 

監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあることを証する書面

 当会社は,平成18年5月1日当時,現に資本金の額が1億円以下であり,最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計額が200億円未満である株式会社であったことから,会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年法律第87号)第53条の規定により,監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるとみなされており,その後現在に至るまで当該定款の定めの設定又は廃止に係る株主総会の決議をしておらず,当該みなされた事項を定款に反映していないため,定款又は株主総会の議事録を添付することができませんが,当会社は当該定款の定めがあるとみなされた株式会社であることを証明します。

平成 年 月 日

       本店

       商号

代表取締役           印

 

なぜかというと,上記の条件を満たす会社は,実際の定款には「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定め」が定められていなくても,その旨の定めがあるものとみなされているからです。

 

2 平成18年5月1日(会社法施行日)以降に設立された株式会社又は平成18年4月30日以前に設立された株式会社で,かつ,会社法施行日(平成18年5月1日)以降に,株式の譲渡制限の定めを設けた株式会社の場合で,

①株式の全部に譲渡制限の定めがある。

②監査役会及び会計監査人を設置していない。

③会計限定監査役の定めがある。

以上に条件に該当する株式会社は,「会計限定監査役の定めが記載された定款又は当該定めを決議した株主総会議事録」を添付して,登記申請をする必要があります。

 

3 登記申請時期

 平成27年5月1日以降,最初に監査役の就任,重任又は退任の登記を申請する際に,行う必要があります。

 

4 登記の事由及び登記すべき事項

本改正前から会計監査限定の定めがある場合

・登記の事由

 「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある旨」

・登記すべき事項(別紙記載)

 「役員に関する事項」
 
「資格」監査役の監査の範囲に関する事項

 「役員に関するその他の事項」

「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」

(原因や年月日は,登記されません。)

 

(参考)

 今後,設立登記で監査役を設置する場合(別紙記載)は,

「役員に関する事項」
「資格」監査役
「氏名」法務花子

「役員に関する事項」
「資格」監査役の監査の範囲に関する事項
「役員に関するその他の事項」
監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある
「監査役設置会社に関する事項」
監査役設置会社

 

5 登録免許税

  申請1件につき1万円(ただし,資本金が1億円を超える場合は3万円)

  ※ 登録免許税法上,税額区分が,役員変更と同一区分のため,他の役員変更と同時に登記申請した場合は,1件分の1万円(資本金が1億円を超える場合は3万円)で足ります。

  例) 監査役の重任登記と一緒に,会計監査限定の定めを登記申請した場合は,監査役の重任登記1万円と会計限定監査役の定めの登記1万円の合計2万円が必要となるのではなく,併せて合計1万円で足りることになります。

 

6 その他

 「取締役等の会社に対する責任の免除に関する規定の登記」がされている場合で,「会計限定監査役の定めの登記」をする場合には,「取締役等の会社に対する責任の免除に関する規定の登記」を廃止又は抹消が必要となる場合があります。

 

6 経過措置

 会社法改正前より会計限定監査役の定めがあった株式会社は,平成27年5月1日以降にはじめて就任または退任する監査役の登記とあわせて行えばよいとされています。

会社法改正後に定款変更をして,会計監査限定の定めを設定した場合には,原則どおり変更が生じた日から2週間以内に登記しなければなりません。

改正会社法(附則)第22条
(監査役の監査の範囲の限定等に係る登記に関する経過措置)
 この法律の施行の際現に監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社は,この法律の施行後最初に監査役が就任し,又は退任するまでの間は,新会社法第911条第3項第17号イに掲げる事項の登記をすることを要しない。

2016年6月21日 (火)

少額債権回収

 

少額債権回収業務

 少額だからといって,未収金の回収を諦めていませんか?

診療費を支払ってくれない

広告費用を支払ってくれない

売掛金が回収できない

商品の代金を支払ってくれない

飲食費のツケを未だに払ってくれない

進学塾の塾代を払ってくれない

新聞代がたまっている

マンションの管理費を支払ってくれない

 

 

 商品代金や請負代金,ガス代,マンション管理費,アパート家賃,塾代,診療費,教材費,自動車修理費,新聞代,飲食代,売掛金,リース代金,レンタル料,運送費など,数千円から数万,十数万円といった少額の未収金を,そのまま放置されていること多いと思います。

理由として,

金額も少額だし,仕事が忙しくて請求している暇がない。

少額だから請求するのも面倒だ。

請求しても回収できそうもない。

相手が行方不明だ。

専門家に依頼したら費用倒れになる。

未回収金を管理できる体制にない。

事業の性質上,強気に請求できない。

相手が払うと言っているが支払ってくれない。

などなど,理由は様々だと思いますが,未回収のまま埋もれた状態となっている企業や個人事業者は少なくありません。

 1件や2件程度の少額な未回収金であれば,債権回収のコストや手間などを考えると,未回収金には目をつぶって,本業で精を出し売り上げを上げていければ大きな影響はないのかもしれませんが,利益率の低い事業ですと,未収分を売り上げでカバーするのは容易ではありません。

 また,最初のうちは,1件,2件程度であったものが,気が付いたときには何十件,何百件と未収金の金額が膨らみ,未回収であることが事業自体を圧迫していることもあり得る話です。

 売掛金が回収されることを前提として計画した会社の資金繰りが崩れてしまうかもしれません。



 こうなると,一生懸命に営業や宣伝広告をして利益を出そうとしても,未収金が足を引っ張ることになりますし,噂とは怖いもので,「あそこは,代金を支払わなくても大丈夫。請求もしてこないし,無視すればそのうち忘れてくれるさ。俺なんて,何件か支払いが残ってるけど,もう何年も経ってるし,請求されたとしても時効を主張して終わりさ。」などという評判が広がったら大変です。

 

 そこで,未回収金を抱える企業あるいは事業者にとって,未回収金を放置する理由が解消できれば,きっと債権回収に取り組むと思いますので,この辺りに説明をシフトしていきます。

上記未回収金を放置する理由として,管理や回収にコストが掛かるということが,最終的に放置する大きな要因になっていると考えられます。

コストには,人的問題(会社内に専門に任せる人がいない,債権管理部署がない,というマンパワーの問題)と経済的問題(債権回収に係る費用の問題)があります。

 事業を行っているいる以上,利益を追求することは当たり前で,そのために,営業や広告宣伝などには,人やお金を使いますが,こと未収金については,「臭いものには蓋をする」という理屈で,これまで深くは考えてこなかったのではないでしょうか。

 確かに,回収できるかどうかはやってみなければ分からいものに,新たに人を雇って専門部署を作ったり,1件1万円の未収金の回収に,5万円も掛かるようでは,諦めた方がよほど事業のためともいえます。

 しかし,1件あたりは少額でも件数が膨らみ,未収金の件数も一ケタが二ケタになり,気が付いたら三ケタ近くに膨れ上がっていたら,それこそ未収金の合計額が数十万円,数百万円になっていてもおかしくありません。

 

 一般的に,債権管理のための人件費,回収に係る費用を考えると,まとまったお金が必要となります。

 そこで,当事務所では,次の報酬体系で,少額債権に関する回収業務を行っております。

 件数がある程度(5~10件以上)あれば,着手金は,不要で,実費(切手代等の通信費や電車代等の交通費)のみで,事件を受任させていただきます。

 そして,報酬は,完全成功報酬制(回収金額の30%+消費税)となっております。

 実費のみで事件を受任しますが,実費が多額になるのでは,意味がありません。

 疑問にお答えする形で,もう少し詳しく説明します。

1 債権回収を依頼する際の費用を教えてください。

  着手時において,お支払いいただくものはありませんので,ご依頼時においては,債権の明細書(支払日・金額・住所・氏名等が記載されたもの)とご依頼者様の本人確認資料及び認印(法人の場合には会社印)をご持参いただくだけで,受任させていただきます。

2 実費とは,具体的には,何をいうのですか?

 電話,ファクシミリ,郵便切手,収入印紙,出張の際の交通費(公共交通機関),コピー代,相手方の住民票取得費(役所手数料)等が実費となります。

 つまり,債権回収をご自身(会社)で行っても絶対に掛かる必要経費と考えていただければと思います。

3 相手方の住民票の取得費とは何ですか?

 相手方が,引っ越しなどで,転居などしている場合,所在を調査したりしますので,その際の費用となります。

4 実費はいつ支払うのですか?

 1か月単位で締めて,1か月分の実費をまとめてお支払いいただくことになります。

5 実費しか支払いをしませんが,相手方に請求書を送るだけですか?

 通常の事件同様に,通常の支払通知書の作成・発送から,内容証明の作成・発送,簡易裁判所で行う民事調停,支払督促申立,民事訴訟,少額訴訟,少額訴訟債権執行,公正証書(文案作成,公証役場での手続代理),相手方の所在調査,弁済金受領,分割払いの管理まで執り行います。

6 何か契約をするのですか?

 少額債権管理回収に関する業務委託契約書を締結させていただきます。

 債権回収の代理人として行えるのが,1件あたりの未回収金が,140万円以下のものに限られますので,140万以下の場合の対応方法と140万円を超える場合の対応方法とを明確に分けた業務委託契約を締結させていただきます。

7 回収した金員は,いつ当社に返還されますか?

 回収した金額は,回収次第,報酬金を控除してご返還いたします。

 なお,件数が多く・金額が少額な場合には,1か月分まとめてご返還する場合もあります(振込手数料の節約のため)。

8 分割の話し合いもしてもらえるのですか?

 相手方の資力等に応じて,無理のない範囲での分割交渉も行います。

 分割での話がまとまれば,合意文書として分割弁済契約書を作成して,相手方より署名捺印をいただきます。

9 分割金の管理は当社でするのですか?

 分割での合意がまとまれば,分割金の管理は,完済されるまで当事務所で行います。なお,この場合は,管理料(月1件あたり1000円+税)をいただくことになります。

10 訴訟等に発展した場合,掛かる費用は別途あるのですか?

 先にも記したとおり,実費が必要ですが,訴訟等の場合の実費は,収入印紙,予納郵券,相手方が法人であれば代表者事項証明書の取得が必要になります。

 仮に,個人に対し,20万円の未回収金を通常訴訟として提起する場合の裁判実費は,2000円の収入印紙,6000円分の予納郵券(裁判で使用した残切手は訴訟後返還されます)の合計8000円となります。

 また,事件が裁判所に係属した場合,裁判所への出廷のため,交通費(公共交通機関)も必要となります。

 なお,係属する裁判所が,遠方の場合,日当が発生する場合もありますが,これは事前にご相談させていただきます。

 いずれにしても,訴訟等に発展する場合には,訴訟委任状もいただかなければなりませんし,その際は,今後掛かる費用等についても十分に説明しますので,それをお聞きの上で,訴訟等まで行う必要があるのか否かご検討いただきます。

 訴訟委任もいただかずに,勝手に訴訟等を行うことはありませんので,ご安心ください。

11 回収できなかった場合は,どうなるのですか?

 仮に,強制執行をしても回収が図られなかった場合には,債権回収の顛末に関する報告書を作成してお渡しします。これで損金処理がスムーズにいき,未収金リストから当該未収金を消すことができます。

12 件数がそれほどありませんが,それでもやっていただけるのですか?

 内容によっては,報酬体系が変わる場合もありますが,件数が少なくてもお引き受けしておりますので,ご相談ください。

13 債権の担保として,抵当権の設定をお願いすることはできますか?

 抵当権及び根抵当権設定登記なども行っておりますし,裁判書類の作成として,担保権(抵当権等)に基づく強制執行の申立書を裁判所に提出したりもします。

14 債権回収以外の相談でものってもらえるのですか?

 既に発生している未回収金は,時効の関係もあって急ぐ必要があることは当然のことですが,一番のポイントは,未回収にならないように事前に対策をしておくことが重要になります。

 相手が法人であれば,幽霊会社などでないかの確認や,金額によっては,担保権の設定や連帯保証人とも契約するなど検討することは結構あります。

 少額な取引の場合,立派な契約書などはないことの方が多いのですが,一工夫することで,裁判所をしても比較的簡単に判決を執ることができることもあります。

 このような債権の回収に限らず,企業及び個人事業者の経営についても,司法書士は,司法書士法施行規則31条に規定されているとおり関与することが可能です。

 新会社の設立,事業譲渡,事業承継や代表者や従業員個人の方々のための法的アドバイザーとしてもご活用いただくことが可能です。

 コンプライアンスが声高に言われて中,司法書士の活用をご検討ください。

 

2016年6月14日 (火)

司法書士の遺産管理・遺産承継業務

司法書士が行う財産管理

はじめに,司法書士が業務として,第三者の財産の管理や処分,遺産(管理)承継業務,企業法務,事業承継のサポート,成年後見人や相続財産管理人,不在者財産管理人,遺言執行者等の地位に就職するなど,これらを行える根拠はどこにあるのであろうか?

1 平成14年の司法書士法改正により,司法書士法29条1項1号を受けて,司法書士法施行規則31条が規定されるに至りました。

 司法書士法施行規則31条では,司法書士法第29条第1項第1号の法務省令で定める業務は,次の各号に掲げるものとして,

 一  当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,管財人,管理人その他これらに類する地位に就き,他人の事業の経営,他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し,若しくは補助する業務

 二  当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,後見人,保佐人,補助人,監督委員その他これらに類する地位に就き,他人の法律行為について,代理,同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務

 三  司法書士又は司法書士法人の業務に関連する講演会の開催,出版物の刊行その他の教育及び普及の業務

 四  競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成十八年法律第五十一号)第33条の2第1項に規定する特定業務

  法第3条第1項第1号から第5号まで及び前各号に掲げる業務に附帯し,又は密接に関連する業務

なお,弁護士法にも同様の規定があり,弁護士法人及び外国法事務弁護士法人の業務及び会計帳簿等に関する規則第1条では,弁護士法第30条の5に規定する法務省令で定める業務は,次の各号に掲げるものとして, 

 一  当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,管財人,管理人その他これらに類する地位に就き,他人の事業の経営,他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し,若しくは補助する業務

 二  当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,後見人,保佐人,補助人,監督委員その他これらに類する地位に就き,他人の法律行為について,代理,同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務

 三  当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,他人の業務及び財務の状況,変態設立事項,資産の価格その他の法律事務に関連する事項について,調査してその結果を報告し,又は証明する業務

 四  弁護士又は弁護士法人の業務に関連する講演会の開催,出版物の刊行その他の教育及び普及の業務

 五  法律事務に附帯し,又は密接に関連する業務

御覧いただいて分かるとおり,第1号及び第2号は,一字一句違わない規定振りとなっている。

これが第三者の財産を管理・処分できる明文規定ということになります。なお,他士業で,このような明文でもって他人の財産管理及び処分ができる旨の定めが規定されている士業はありません。

2 細かく内容をみていきましょう。

(1)司法書士法施行規則第33条第1号は,

  当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,管財人,管理人その他これらに類する地位に就き,他人の事業の経営,他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し,若しくは補助する業務 

 これをさらに細かく分類すると,

 ①当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によって

 ②管財人,管理人その他これらに類する地位に就き

 ③他人の事業の経営,他人の財産の管理若しくは処分を行う業務

 ④これらの業務を行う者を代理し,若しくは補助する業務

 以上の4つに細分することができ,当事者との委任契約によって,管理人等の地位に就職し,他人の事業の経営(企業法務,中小企業支援,事業承継への関与や法人役員への就任や解散会社の清算人など)に参画したり,他人の財産(不動産・現金・預貯金・株券等の有価証券・保険証券類等)を管理・処分するなどし(遺産整理業務も含まれる),また,裁判所の選任によって相続財産管理人,不在者財産管理人の就職し,あるいは破産法・会社更生法等の管財・管理・監督業務を司法書士自らが行ったり,これらの業務を行う者からの委任によって代理人として司法書士が行い,または,その者(管理者等)の業務を補助することも司法書士の業務として認められていることになります。

(2)司法書士法施行規則第33条第2号は,

当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により,後見人,保佐人,補助人,監督委員その他これらに類する地位に就き,他人の法律行為について,代理,同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務

 

これは詳細に分類するまでもなく,成年後見に関することを規定していることに他ならない。

平成12年に禁治産者制度は廃止され,新たに成年後見制度が施行されたわけですが,この当時から司法書士が成年後見人等に選任されていたところ,司法書士業務として後見人等の事務を行っているのか,あるいは,司法書士という肩書を持った一個人として事務なのか諸説あり判然としていなかったわけですが,平成14年の司法書士法の改正により,上記のとおり,後見人等の業務は,明文で司法書士の業務と位置付けられたのです。

 

3 遺産整理業務

  上記のうち,法定されている相続財産管理人,不在者財産管理人,遺言執行者,破産法等の管財人などの職務については,細かく法律で定められており,別の機会に詳細は譲るとして,本稿では,委任に基づく遺産整理業務について述べてみたい。

(1)はじめに

  相続手続きについては,基本的に,相続人自ら手続きを行うことができます。

  戸籍謄本等の収集から不動産登記,税務申告,預貯金の解約,保険金請求,株式や投信信託の相続手続き,自動車の名義変更等々,自分で調べて行うことが可能です。

  相続手続きでは,被相続人(お亡くなりになられた方)の戸籍謄本の収集は,被相続人の出生からの戸籍を遡って取得する必要があります。

 これは,被相続人の相続人を確定するためにどうしても必要なものとなります。

 家族には知らされていなかった認知の事実や前婚の子の存在など,戸籍を遡らないと出てこない事項があるのです(戸籍制度は,複数回の変遷を経て様式や記載事項に変更があり,また,転籍をすると,従前の戸籍事項が引き継がれないものもあるため,現在の戸籍謄本だけでは分からない事実が,過去に遡って調べることにより明らかになるのです。)。

  相続人自らが行うメリットは,なんといっても費用が実費のみで済むことが挙げられます。

  デメリットしては,相応の時間が相続手続きで割かれてしまうことや,手続きをするため,何度も各手続き場所まで足を運ばなければならないことが考えられます。

 また,法律的に期限のあるものや,自分たちの行っていることが正しいのか否か判断に迷う場合もあり,法的知識は,ある程度はあった方が間違いは少ないです。

  私の事務所でも,途中までは相続人自ら手続きを行っていたが,途中で頓挫して中途半端なまま放置しているケースが多くみられます。

  放置している間に,相続人の方が亡くなり,さらに相続が発生しているケースもあり,こうなると,当事者では収拾が困難になる場合もあります。

(2)司法書士ができること

  相続人自ら手続きを行うことが難しいと判断された場合,どうしたらよいのでしょう。

  まずは,無料相談をご利用いただき,概要をお伝えいただければ,ポイントとなる部分を指摘し,今後の見通しを助言することが可能です。そして,それを参考に具体的に誰に委任するのかお決めいただければと思います。

  それでは,相続手続きに関し,司法書士が実際にどこまでサポートできるのか,一例を記したいと思います。

 ア 戸籍謄本等の収集

   被相続人の出生からの戸籍謄本からはじまり,相続人の方の戸籍謄本まで取得することが可能ですし,これによって被相続人の全ての相続人の調査をします。

 イ 住民票の除票(戸籍の附票)の取得

   名義人の最後の住所を明らかにするため,お亡くなりになられた方の住民票の除票が必要になりますし,お亡くなりになられた方の最後の住所と,登記されている住所が異なる場合,戸籍の附票を取得して,住所の不一致についてつながりの分かる資料を提出しなければなりません。

 ウ 不動産の名義人となられる方の相続人の住民票の取得

   被相続人の不動産を取得する相続人の住民票が必要になります。

 エ 遺産分割協議書の作成

   相続人が複数いる場合,その中の誰か特定の方が不動産を取得する場合,遺産分割協議書を作成して,遺産の配分を決めなければなりません。

 オ 不在者財産管理人選任申立書の作成

   相続人の調査の過程で,相続の誰かが行方不明になっている場合,家庭裁判所に対し,不在者財産管理人の選任を申立てなければなりません。

 カ 特別代理人選任申立書の作成

   相続人の中に未成年の子がいる場合,親が先に相続放棄をしたり,ケースによって親子の利害が対立しない場合にはこの特別代理人選任の申立ては不要ですが,一般的(両親及び子がいる家庭で,片親が死亡した場合)には,子のために特別代理人を家庭裁判所で選任してもらい,この特別代理人と遺産分割協議を行う必要があります。

 キ 遺言執行者選任申立書の作成

   例えば,遺言事項で認知や廃除のことが書かれていて,遺言執行者の定めがない場合,遺言執行者を家庭裁判所で選任してもらい,遺言執行者が手続きを行う必要があります。

 ク 後見開始申立書の作成

   相続人の中に,認知症などで判断能力の低下した方がいる場合,その相続人と遺産分割協議を行うことはできません(行っても無効です。)。この場合にも,家庭裁判所に後見開始の申立てをして成年後見人等を選任してもらい,選任された後見人等と遺産分割協議を行う必要が出てきます。

 ケ 預貯金の相続手続き

   銀行等の預金についても相続手続きを行わなければなりませんが,銀行所定の用紙に必要事項を記入し,原則,相続人全員の実印の押印が必要となります。また,銀行等によっては,近くの支店で手続きを行うことができず,開設した支店で行わなければならないところもあります。手続きには,やはり被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本等や相続人の戸籍謄本,印鑑証明書を要求されます。

 コ 貸金庫の開扉の立会

   被相続人が借りていた貸金庫の開扉に立会い,公正な第三者として相続財産の確認,管理等を行います。

 サ 株式・投資信託の相続手続き

 シ 保険金請求

 ス ゴルフ会員権の相続手続き

   会員権の種類には,預託金制会員権,株主会員制会員権,社団法人制会員権の区別がありますが,まずは,どの性質の会員権なのかを調査した上で手続きを進めていくことになります。

 セ 抵当権抹消

   被相続人に住宅ローンが残っていた場合,団体生命保険に加入しているケースが多いため,この保険金で残りの住宅ローが完済になります。この場合,相続により所有権移転登記を行った後で,住宅ローンの抵当権を抹消する必要があります。

 ソ 債務整理・過払い金請求

   被相続人に借金等があり,トータルで考えて相続放棄するほどのものではない場合,この整理を行う必要があります。また,長年,金銭の貸借をしていた場合,過払い金が発生していることもあります。この調査や債務弁済の交渉など,認定司法書士の範囲で行うことが可能です。

 タ 公共料金等の相続手続きや解約

 チ 電話加入権や携帯電話の相続や解約手続き

 ツ 遺言書検認の申立て

   自筆証書遺言の場合,遺言書の開封は家庭裁判所で行わなければなりませんし,検認の手続きを経ていない遺言書は,登記手続きなどでは利用できません。

 テ 遠方の相続人との事務連絡担当

   全国各地に相続人がいる場合,事務を取りまとめる役が必要となります。

 ト 換価分割

   不動産を売却して代金を分割する場合,仲介業者の選定から代金代理受領し,現金を遺産分割内容に応じて分配します。

 ナ 遺産分割調停申立書の作成

   話し合いができない場合やまとまらない場合は,遺産分割の調停での解決を検討しなければなりません。

 ニ 税理士の紹介

   相続税が発生する場合や,被相続人が事業者であった場合,準確定申告が必要になりますので,専門の税理士をご紹介します。

 ヌ 相続放棄申述書の作成

   債務が多い場合,家庭裁判所に対し,相続放棄の申述を受理してもらう必要があります。また,相続放棄の手続き後,相続放棄をした事実を各債権者に伝える必要があります。なお,第一順位相続人の全員が相続放棄をすると第二順位相続人に相続されるため,第二順位相続人に,放棄する旨は事前にお伝えいただくと無用なトラブルを回避することができます。

 ネ 相続財産の管理

   被相続人がアパートなどを自主管理しており,相続人が遠方の場合,管理する者がいなくなるため,適切に管理します。

  その他,ここに書ききれないため,相続に関することは何でもご相談ください。

  他の専門家の職務の場合は,連携して行いますので,安心して窓口を一本にして手続きを進めていけます。

   司法書士費用の目安

                       
 

相続財産の価額

 
 

報酬額

 
 

500万円以下

 
 

25万円+消費税

 
 

500万円を超え5000万円以下

 
 

(価額の1.2%+19万円)+消費税

 
 

5000万円を超え1億円以下

 
 

(価額の1.0%+29万円)+消費税

 
 

1億円を超え3億円以下

 
 

(価額の0.7%+59万円)+消費税

 
 

3億円以上

 
 

(価額の0.4%+149万円)+消費税

 

※日当・交通費,通信費等の事務経費及び税理士報酬等は,別途となります。

ご相談は,京成津田沼駅前・千葉県民司法書士事務所へ!

オフィシャルホームページ  http://chiba-shihoshoshi.com/

2016年6月 9日 (木)

ゆうちょ銀行の相続手続き

ゆうちょ銀行の相続手続き

多くの方が,ゆうちょ銀行に口座をお持ちだと思います。

ゆうちょ銀行の相続手続きで,他の銀行等と違って便利な点は,全国,どこにでも郵便局があり,どこでも手続きが可能であることが挙げられます。

地方銀行ですと,他県に転居などした場合,転居した先に店舗がない場合も多くあります。

また,一部の信用金庫では,口座を開設した店舗でないと相続手続きができないところもあります。

そう考えると,ゆうちょ銀行の場合,相続手続きは,自分(相続人)の住んでいる近くの郵便局で手続きができるため便利です。

また,ゆうちょ銀行は,統一された運用があるため,次のとおりの段取りで相続手続きを行うことになります。

1 相続確認表の所定の事項を記載

亡くなられた方(被相続人)がゆうちょ銀行の口座があったのか,あるいはなかったのか不明の場合もあると思います。

記号番号が不明の場合には「貯金等照会書」に必要事項を記載して窓口に提出することになります。

2 後日,必要書類のご案内という封筒がご自宅へ届きます。

先に提出した相続確認表に基づき,必要な書類一覧が同封されています。

相続される方が,被相続人の子なのか兄弟姉妹なのかに応じて,必要となる書類を個別に教えてくれます。

基本的に,相続に関する必要書類は,どこの金融機関でも同じものが要求されます。

①被相続人(お亡くなりになった方)の戸籍(除籍)(原戸籍)謄本(出生から死亡までの連続したものが必要)

※遺言がある場合には,出生までさかのぼらず,死亡の記載のある除籍謄本だけあれば大丈夫です。

②相続される方の戸籍謄本(現在の戸籍)

③相続される方が兄弟姉妹の場合は,①の被相続人の出生からさらに遡って両親の戸籍(除籍)(原戸籍)謄本(出生から死亡まで連続したもの)も必要になります。

④相続人全員の印鑑証明書(市町村発行後3か月以内)

⑤被相続人の預金通帳,証書,キャッシュカード(ない場合には,紛失の手続きを相続人が行うことになります)

3 必要書類の提出

原則,相続確認表を提出した郵便局に,原本を提出します(手続きをした郵便局に提出してください,と書かれてあります)。

なお,原本は,郵便局でコピーを取っていただき,返還をしていただくことが可能ですし,後日,返還を受けることもできます。

4 代表相続人の通常貯金口座に払い戻しの場合には送金されます。

なお,ゆうちょ銀行に口座がない場合には,新たに作成して,この口座に入金してもらうか,あるいは払戻証書を送ってもらい,後日窓口で現金で受け取ることもできます。

一般的には,ゆうちょ銀行の相続手続きの場合,何回,店舗に出向くことになるのでしょうか?

①相続の発生した事実と相続確認表をもらいに,窓口に行きます。

必要事項を,その場で書ければよいのですが,一旦自宅に戻ってから書かれる方も多くいます。

②相続確認表など,①でもらった書類に必要事項を記入の上,窓口に提出します。

③ゆうちょ銀行から,手続きの説明が書かれた書類などがご自宅に送られてきます。

④当該相続手続きに必要となる書類を集めます(場合によっては,遺産分割協議書を作成することもあります。)。

⑤ゆうちょ銀行定型の書類に必要事項を記載し,相続人全員の実印を押印し,必要書類として記載されていた戸籍謄本等と共に窓口に提出します。

⑥現金で受領される場合には,払戻証書によって現金の受け渡しを行うため,窓口へ行って手続きを行います。

これら一連の手続きを一括して,当事務所に手続きを依頼することができますので,お気軽にお尋ねください。

千葉県習志野市津田沼・京成津田沼駅前の千葉県民司法書士事務所のオフィシャルホームページ ⇒ http://chiba-shihoshoshi.com/

2016年5月23日 (月)

相続の基礎知識

  

 相続とは,ある人の死をきっかけとして,その人(被相続人)が有していた財産や負債等の一切の権利義務を民法で定める一定の親族(相続人)が承継されることをいいます。

民法第882条では,相続開始の原因として, 「相続は、死亡によって開始する。」と定められており,民法第896条において,「相続人は,相続開始の時(被相続人の死亡の時)から,被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」としております。

承継される財産には,土地や家屋といった不動産,株式等の有価証券,現金・預貯金等のプラスの財産のほかに,借入金や未納の税金といったマイナスの財産も含まれます。

ただし,被相続人が負っていた身元保証などの一身に専属したものは相続の対象となりません。一身専属の例としては,

  • 使用貸借契約における借主の地位
  • 代理における本人・代理人の地位
  • 雇用契約における使用者・被用者の地位
  • 委任契約における委任者・受任者の地位
  • 代替性のない債務(有名画家が絵を描く債務など)
  • 親権者の地位
  • 生活保護給付の受給権者の地位 などがあります。

相続の種類ですが,

①単純承認(プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続する)

②限定承認(プラスの財産の額を限度として,借金等のマイナスの財産をも相続する)

③相続放棄(プラスの財産も,借金等のマイナスの財産も一切引き継がない)

の3つがあり,この中からいずれかの方法を選択することとなります。

上記②及び③については,相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申し出しなければなりません。したがって,どの方法を選択すべきかどうか判断するためにも,相続財産はできるだけ早く調べて,相続財産の全容を把握することが不可欠となります。

親元から独立して,数十年経過しているような方については,親の近況や財産の状況を知らないため,相続財産の把握に時間がかかることもあります。このような場合には,家庭裁判所で,上記3か月間の期間を伸長してもらう手続きもありますが,これも3か月以内に行わなければなりません。

この3か月以内に何ら手続きを行わないと,自動的に単純承認したものとみなされます。単純承認で相続をしたら,後日,借金等のマイナス財産が発見されても,それは相続人が引き継いで返済する義務が生じてきます。

また,3か月以内であったとしても,相続される方が,亡くなられた方(被相続人)の財産を処分したりした場合には,単純承認したこととなり,相続放棄などが認められない場合もありますので注意が必要です。

2016年4月25日 (月)

役員の任期について(法務省)

  •  平成18年5月1日に会社法(平成17年法律第86号)が施行され,早いもので,本年5月で10年を迎えます。
  •  会社法では,公開会社(※)ではない株式会社の取締役及び監査役の任期は,定款で定めることにより,最長で選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができるとされています(会社法332条第2項,336条第2項)。
  • ※ 公開会社とは,株式会社が発行する株式の全部又は一部につき,株式の譲渡について株式会社の承認を要する旨の定款の定めがない株式会社をいいます。株式を市場に公開しているかどうかは関係ありません。

     上記のとおり,任期を伸長されて会社も多くあると思いますので,会社法施行後に取締役及び監査役の任期を伸長している株式会社については,任期が満了する時期を再度御確認いただき,本年の定時株主総会の終結で任期が満了する場合には,定時株主総会における取締役,監査役等の選任,取締役会の決議や取締役の互選等による代表取締役の選定等を行った上,その旨の変更の登記を申請する必要がありますので,御注意ください。  

     なお, 役員の変更の登記等をしないまま,最後に登記をした時から12年を経過した場合には,休眠整理作業の対象となり,その後も登記又は事業を廃止しない旨の届出をしない場合には,解散したものとみなされ,登記官の職権により解散の登記がされることになりますので,御注意ください。

    (一般社団法人又は一般財団法人は,最後の登記から5年を経過していると上記休眠法人に該当します。)

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